御香典・御霊前・御仏前の宗派による使い分けと、神道・キリスト教の場合や水引の違いをまとめます(^^)
2月26日放送の『この差って何ですか?』は葬式のしきたりの差です!
お葬式で必ず必要になるのが、不祝儀袋(ふしゅうぎぶくろ)。
お通夜や葬儀、法事の際に現金を包む、白と黒の水引のついた袋です。
最近で100均などでも手に入りますね(^-^)
一緒に表書き(袋につける短冊状の紙)が入っていることが多いのですが、
「御香典」「御霊前」「御仏前」の3種類があるんです。
今回は、この「御香典」「御霊前」「御仏前」の使い分けについてまとめます!
実は宗派や使う時期で変わってくるんですよ!
また、神道やキリスト教の場合も合わせて解説していきますね(^-^)
更に水引の違いについても知っておきましょう!
仏教での御香典・御霊前・御仏前の違い
「御香典」「御霊前」「御仏前」の違いはご存知ですか?
ちゃんと使い分けができているでしょうか?
私は自信ありません・・・
ということで、「御香典」「御霊前」「御仏前」の違いと使い分けについて、しっかり解説していきますね!!
御香典とは?
御香典の「香」は線香を、「典(正式には「奠」)」はお供え物を意味します。
「故人へ線香や花の代わりに金品を供える」という意味合いです。
葬儀という突然の出費に対しご遺族に「葬儀費用の一部にあててください」という、『お互いに助け合う』という気持ちも含まれています。
また「御香典」は、「御霊前」や「御仏前」を含む、お供え全般のことを指しています。
通常、葬儀に持参する金品といえば「香典」と言いますが、実際に葬儀に参列する場合は、宗教宗派により考え方が異なります。
そのため、不祝儀袋で持参する表書きとして「御霊前」「御仏前」などを使い分けるのです。
「御霊前」や「御仏前」は、全部「御香典」に含まれるんですね!
知らなかった!
「御霊前」や「御仏前」は基本的に葬儀で使うか、四十九日法要を過ぎているかで使い分けますが、宗派によっては「御霊前」を使わない場合があります。
宗教宗派については事前に確認したほうがいいですね。
ただ、事前に確認できず悩んでしまったら、
- 仏教で宗派が不明な場合は「御香典」が無難。
- 宗教が不明だけど明らかに真宗ではない場合は「御霊前」が無難。
です!
御霊前とは?
「御霊前」とは、
- 故人の御霊(みたま)の前。
- また、御霊に供える金品。
- 香典の表書きの1つ。
という意味があります。
仏教では、一般的に葬儀の不祝儀袋は「御霊前」を使います。
ですが、真宗(浄土真宗や真宗大谷派など)では葬儀の時から「御仏前」を使います。
というのも一般的な仏教では、人が亡くなると霊になり、その後四十九日法要を終えると成仏して極楽浄土に行くという考えます。
なので四十九日法要までは故人の御霊(みたま)にお供えする
=「御霊前」
となるのです。
真宗(浄土真宗や真宗大谷派など)では御霊前は使わない
仏教では一般的に、葬儀の不祝儀袋は「御霊前」を使います。
ですが、真宗(浄土真宗や真宗大谷派など)では葬儀の時から「御仏前」を使います。
いったいどうしてでしょう?
この違いは、霊の考え方に基づきます。
一般的な仏教では、人が亡くなると霊になり、その後四十九日法要を終えると
成仏して極楽浄土に行くと考えます。
納骨が四十九日法要の際に行うのも、成仏したという考えからです。
ですが、真宗(浄土真宗や真宗各派)では霊という考え方がないのです。
「人は亡くなったらすぐに浄土に還り成仏する」というのが、真宗の考え方です。
だから「御霊前」は使わないんですね!
御仏前とは?
御仏前とは、
- 故人が成仏(じょうぶつ)して仏様になり、その仏様の前。
- また、御仏に供える金品。
- 供物の表書きの1つ。
という意味があります。
仏教では一般的に、四十九日法要を過ぎたら「御仏前」を使います。
人が亡くなると霊になり、その後四十九日法要を終えると仏になる
=「御仏前」
と考えるからです。
納骨を四十九日法要の際に行うのも、亡くなった人が成仏したと考えるからなんですね!
神道ではどうするの?
神道の場合は、「御玉串料」「御神前」などを使います。
神道では、「御香典」も「御仏前」も使いません。
というのも、神道には「仏になる」という考えはないからです。
でも、葬儀の際に「御霊前」は使っても問題はないようです。
これは、神道の考え方では、亡くなったら御霊となり、その家の守護神となり子孫を守るとされているからです。
ただし、蓮の花が印刷してある不祝儀袋は、仏教専用なので避けましょう!
また、神道では仏教の四十九日法要でなく「五十日祭」と呼ぶ儀式があります。
翌日に清祓の儀(きよはらいのぎ)を行い、忌中に神棚などに張っていた白紙を取り除くと忌明けとなります。
(忌中は故人を悼み、拍手を打たずに「偲び手」で行います。)
以前は葬儀(火葬祭)の後に遺骨を墓地に移して埋葬していました。
しかし最近では、仏教のように遺骨を持ち帰り五十日祭の頃に埋葬するケースが多くなっています。
この際の金封は、「御玉串料」「御霊前」などを使います。
キリスト教ではどうするの?
キリスト教(カトリック)では「お花料」を使用します。
ですが、「御霊前」(蓮の花の印刷以外)は問題ないとされています。
というもの、キリスト教では亡くなったら霊魂となって神に召されると考えられているからです。
キリスト教の場合でも、四十九日法要に該当するものがあります。
カトリックでは「追悼ミサ」、プロテスタントでは「記念式」です。
これらは必ず行うという儀式ではありません。
仏教の「忌明け」という考え方もありません。
ですが、最近は仏教の初七日や四十九日法要の代わりに追悼式を行うケースもあります。
もし参列する場合の金封は、
- カトリック追悼ミサの場合 :「ミサ謝礼」「ミサお礼」
- プロテスタント記念式の場合:「記念献金」
となります。
水引の違い
不祝儀袋についていたり、印刷されている水引。
この水引にもマナーがあります。
大切な人が亡くなることは、二度とあってほしくないことですから水切は「結び切り」を使用するのがマナーです。
結び切りは、一度、結んだらほどけないことを意味しています。
そのため、「二度あってほしくない」こと、例えば結婚や葬儀などの際に使用します。
水引は、宗教によって多少色が異なるので、確認していきましょう。
- 仏 式:白黒・銀
- 神 式:黒白・白・銀
- キリスト教式:なし
キリスト教式の場合には、水引は使用しません。
蓮の花の印刷以外で、十字架または花の印刷が施された不祝儀袋を使用します。
花が印刷されたものがなければ、白封筒で代用することもできます。
また、弔事には基本的に偶数の水引を使用します。
4本を中心に、2本のものと6本のものがあります。
ですが最近では、5本の水引を使用することもあるようです。
仏教・神道・キリスト教 御香典・御霊前・御仏前の使い分け
仏教・神道・キリスト教の「御香典」と「御霊前」と「御仏前」の使い分けを表にまとめます!(^^)!
御香典 | 御霊前 | 御仏前 | 水引 | |
仏教 | 宗派が不明な場合に使う | 四十九日の法要より前に使う | 四十九日の法要後に使う | 黒白・銀 |
真宗(仏教) | 使わない | 使わない | 葬儀~四十九日法要を通して使う | 黒白・銀 |
神道 | 使わない | 使っても問題なし | 使わない | 黒白・白・銀 |
キリスト教 | 使わない | 使っても問題なし | 使わない | なし |
御香典・御霊前・御仏前の違い まとめ
御香典、御霊前、御仏前の使い分けは宗教宗派により違います。
- 真宗なら「御仏前」
- 神道、キリスト教なら正式なものは他にもあるけど「御霊前」でもOK(蓮の花模様はNG)
- 仏教だけど真宗か不明な場合は、「御香典」
となります。
この考えが一般的ですが、宗派や地域によってはマナーや細かいしきたりがある場合もあります。
ご遺族に失礼のないように確認できれば、確実ですね!(^^)!
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